競馬事件、馬主の名義の貸し借りによる逸話

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競馬の登録名義の貸し借り

競馬には馬主登録という制度が存在し、そこに基準が設けられている。
例えば2年間の収入が1,700万円以上、そして所有資産が7,500万円以上あるという事等、社会人としてある程度の地位がある事が条件となっているわけだ。
そして、その制度をかいくぐるべく、馬主の登録名義の貸し借りというものが過去に摘発された。
この馬主の登録名義の貸し借りでは救われた馬と被害にあった馬が存在する。

救われた馬「クモワカ」

この馬主登録の貸し借りによって救われた競走馬、それがワカクモだ。
ワカクモは死んだとされた競走馬、クモワカから生まれた事になっている競走馬だ。
クモワカは昭和27年当時に流行した伝染性貧血症という病気だと診断され、殺処分を命じられた。
しかし、伝染性貧血症ではないと思った馬主は3年間クモワカを匿った。
そして北海道に移動し、再度、登録申請をするもそこで発覚してしまう。
伝染性貧血症の再発の可能性からなかなか再登録が認められない中、馬主は裁判まで持ち込み伝染性貧血症が誤診だったという事で登録を勝ち取る事が出来た。
伝染性貧血症で殺処分となった競走馬は4万頭になると言われ、そんな中で1頭生き残ったのがクモワカだ。
そこまで辿り着くのに11年間もかかったわけだが、その際にこの登録名義の貸し借りは行われていたのだ。
そして、クモワカの仔であるワカクモは桜花賞を勝ち11勝を挙げ、そして繁殖牝馬としてテンポイントを世に送り出したのだ。

被害にあった名馬「トロットサンダー」

この名義貸し問題であるが、その煽りをもっとも受けた名馬がトロットサンダーになるだろう。
トロットサンダーは馬主登録の名義の貸し借りによって、本来所有しているはずではない、第三者が所有している競走馬だと発覚したのだ。
この為に登録を抹消される事となり、その競争生活の幕を閉じざるを得なくなってしまった。
この名義の貸し借りについてはクモワカの件も含めて以前から存在したものであったが、昭和40年に起こった八百長事件を受けて、クリーンなイメージでイメージアップを図りたいJRAとしては調査し無くしていきたいものであっただろう。
そして、その手はついに平成になって公安を使って摘発するという事で一応の収まりはついた形となっている。

名義の貸し借りは定められたルールを破っているわけだから褒められたものではないが、必ずしも全てが悪ではないだろう。
もっと言えば、人間の手によって、人間の意思によって競走馬の命運、命さえも左右する事であり、その身勝手さで競走馬が何かを失ってしまうのは悲しい事だ。
競馬関係者が少しでも競走馬の命を尊重した行動をとってくれる事を願うばかりだ。

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